クリエイティブエージェンシーとは。媒体と分けて呼ぶ名前と、広告代理店との違い

クリエイティブエージェンシーとは。媒体と分けて呼ぶ名前と、広告代理店との違い

クリエイティブエージェンシーとは。媒体と分けて呼ぶ名前と、広告代理店との違い

会社のサイトで「クリエイティブエージェンシー」という名乗りを見かけても、何を頼める会社なのかは、名前だけでは分かりません。広告代理店や制作会社とは、何が違うのか。この記事は、仕事を頼む側から見た説明です。

この記事で書くのは、クリエイティブエージェンシーという言葉の意味から、広告代理店・制作会社・デザイン事務所との違い、最初の打ち合わせで分かること、私たちがこの名前で指していることまでです。

クリエイティブエージェンシーとは

クリエイティブエージェンシーは、広告やブランドの中身をつくる会社の呼び名です。

中身とは、人の目や耳に届く部分のことです。言葉、絵、写真、映像。それらを組み合わせた表現。広告の世界では、この中身を「クリエイティブ」と呼ぶことがあります。エージェンシーは、依頼する会社に代わって仕事を引き受ける会社、という意味で使われています。

大きな広告会社のグループの中の一社のこともあれば、少人数で独立した会社のこともあります。会社の大きさで決まる呼び名ではありません。

この呼び名を理解するには、何と分けて呼ばれているかを見るのが早道です。分けられている相手は、媒体の仕事です。

媒体の仕事と、分けて呼ぶ名前

広告の仕事は、大きく二つに分けて考えることができます。

一つは、中身をつくる仕事です。何を言うか、どう見せるかを考え、言葉や絵や映像にします。

もう一つは、出す場所を計画して買う仕事です。テレビ、新聞、雑誌、Web の広告枠。どの媒体に、いつ、どのくらいの量を出すかを計画し、その場所を買います。広告を載せる場所は、媒体と呼ばれます。

この二つを、一社にまとめて頼む形と、別々の会社に頼む形があります。広告の仕事をこの二つに分けたうえで、企業がどちらの頼み方を選ぶかを調べた研究もあります(Horsky, S.「The Changing Architecture of Advertising Agencies」Marketing Science, 2006)。

別々に頼むとき、中身の側を引き受ける会社がクリエイティブエージェンシー、出す場所の側を引き受ける会社がメディアエージェンシーと呼ばれることがあります。この呼び名がはっきり言っているのは、媒体の仕事は別だ、ということです。

媒体の仕事と、分けて呼ぶ名前
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頼む側にとっての意味は、ここにあります。広告として世に出すところまでが目的なら、出す場所の計画と買い付けを誰が持つかを、別に決める必要があります。中身を頼んだ会社が、その手配までするとは限りません。

別々に頼む場合は、二社のあいだを誰がつなぐかも決めておきます。中身をつくる側は、出す場所の条件が分からないと作れません。紙面の大きさ、映像の秒数、出す時期、見る人がどんな場面でそれを目にするか。出す場所を決める側は、中身ができないと、どこに出すのがよいかを詰めきれません。

二社が直接やりとりできる形にしておく方法もあります。そうでなければ、頼む側の担当者が、二社のあいだで条件を運ぶことになります。どちらにするかを決めておかないと、中身ができてから、出す場所の条件に合わないと分かることがあります。

自社が媒体の仕事を持たないなら、そのことを最初に伝えておくのは、引き受ける側の仕事です。頼む側が、途中で出す場所の手配が抜けていると気づくのでは遅いからです。

広告代理店との違い

日本で広告代理店と呼ばれる会社には、媒体の仕事と中身の仕事を、両方引き受ける会社があります。社内にクリエイティブの部門を持ち、そこが中身をつくる形です。

その場合、頼む側から見ると、出す場所も中身も、窓口が一つで済みます。中身をつくる人と、出す場所を決める人が同じ会社にいるので、両方を合わせて計画できます。

クリエイティブエージェンシーに中身を頼む場合は、出す場所の側を、別の会社か自社で持つことになります。中身の相談は、どこに出すかの手配とは切り離して進みます。

どちらが合うかは、頼む側が何を必要としているかで決まります。広告代理店の仕事の中心がどこにあり、どんなときに向くかは、ブランディング会社の選び方。4つの型と、自社に必要な型の見分け方に書きました。

制作会社・デザイン事務所との違い

中身をつくる会社には、ほかの呼び名もあります。制作会社と、デザイン事務所です。

制作会社は、作るものを形にする会社の呼び名です。Webサイト、パンフレット、映像。さきほどの「ブランディング会社の選び方」では、制作会社型について「決めることは、基本的に発注側が持っている前提」と書きました。

デザイン事務所は、デザイナーが主宰する事務所を、こう呼ぶことがあります。

どちらも、中身をつくる点では、クリエイティブエージェンシーと重なります。違うのは、呼び名が何を言っているかです。制作会社とデザイン事務所は、何を作るか、誰が作るかを言う呼び名です。クリエイティブエージェンシーは、媒体の仕事と分けたときの、中身の側を言う呼び名です。

違うのは、呼び名が何を言っているかです。
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最初の打ち合わせで分かること

同じ言葉を使う会社でも、引き受ける範囲が違うことは、「ブランディング会社の選び方」でも触れました。クリエイティブエージェンシーという呼び名も同じです。では、範囲はどこで分かるのか。

手がかりになるのは、最初の打ち合わせで、何を聞かれるかです。

作るものの仕様と期限から聞かれるなら、その会社は、作るものが決まったところから引き受けるつもりです。大きさ、本数、使う場所、納期。

作る目的と事業から聞かれるなら、何を作るかを決めるところから引き受けるつもりです。何のために作るのか、誰に届けたいのか、いま何が止まっているのか。

どちらが良い、悪いではありません。何を作るかがすでに決まっているなら、仕様から聞かれるほうが、話は早く進みます。まだ決まっていないのに仕様から聞かれると、何を作るかを決める場がないまま、作り始めることになります。

最初の打ち合わせで分かること
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聞かれたことが、自社がいま決めたいことと合っているか。それを見れば、呼び名よりも確かに、その会社がどこから引き受けるかが分かります。本来は、引き受ける側が、打ち合わせの前に伝えておくことでもあります。

私たちがこの名前で指していること

私たちも、クリエイティブエージェンシーと名乗っています。ただ、私たちがこの名前で指しているのは、媒体と分けるという意味よりも、目的から何を作るかを決めるところから引き受ける、という意味です。

サイトでは、私たちのことを「横断的に課題解決を行い、新しい価値を作るクリエイティブエージェンシー」と説明しています。並んでいるスキルは、ブランド立ち上げ、マーケティング、商品開発、Webサイト、グラフィック、コンテンツ、SNS、空間デザイン、映像制作、撮影です。

引き受け方については、「手段の実行ではなく、目的からの設計」をお引き受けしている、と書いています。そして「設計が決まったら、そこから先は領域をまたいでも同じチームが持ちます」。「極めて高度な専門性が求められる部分では、その道のプロフェッショナルと組みます」とも書いています。

なぜそうしているのかは、なぜ私たちは、ブランディングも空間も映像も分けないのかに書きました。この引き受け方が、どの依頼にも合うとは考えていません。作るものがすでに決まっている依頼なら、仕様から引き受ける会社のほうが早く進むこともあります。

どこから頼むかを、先に決める

クリエイティブエージェンシーは、広告の仕事を中身と媒体に分けたときの、中身の側を引き受ける会社の呼び名です。呼び名がはっきり言っているのは、媒体の仕事は別だということです。

だから、頼む前に決めておきたいことがあります。出す場所まで要るのか。要るなら、その仕事を誰が持つのか。そして、中身のどこから頼みたいのか。何を作るかがもう決まっているのか、それとも、そこから一緒に決めたいのか。

自社にどんな会社が合うかは、ブランディング会社の選び方。4つの型と、自社に必要な型の見分け方で、問いの形にまとめています。

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