ブランドサイトとは。コーポレートサイトとの違いと、分けるかどうかの決め方

Studio INTERPLAY

ブランドサイトとは。コーポレートサイトとの違いと、分けるかどうかの決め方

新しい商品やサービスを出すとき、「ブランドサイトを作りたい」という話が出ることがあります。会社のサイトはもうある。そこに載せるのでは足りないのか。別に作ると、何が変わるのか。

答えは、サイトの作り方より手前で決まります。訪れる人が何を決めに来るのか。そして、その人がどの名前でたどり着くのかです。

この記事で書くのは、ブランドサイトとは何かから、コーポレートサイトとの違い、分けるかどうかの決め方と、分けると増えるもの、分けないときにできること、載せるもの、そして閉じる日を作る前に決めておくことまでです。

ブランドサイトとは

ブランドサイトは、一つのブランドのためのサイトです。ブランドは、商品のこともあれば、サービスのこともあります。ブランディングサイト、スペシャルサイトと呼ばれることもあります。

キャンペーンのために期間を区切って作る特設サイトとは、続く長さが違います。特設サイトは、催しが終われば役目を終えます。ブランドサイトは、そのブランドが続くあいだ続きます。

会社に一つあるサイトは、コーポレートサイトと呼ばれます。会社の概要、事業、採用、お知らせ。ブランドサイトは、その中の一つの商品やサービスを、外に出して独立させた形です。

コーポレートサイトとの違いは、問いにある

二つの違いは、載せる情報の種類で説明されることがあります。会社の情報を載せるのがコーポレートサイト、商品の情報を載せるのがブランドサイト。それも間違いではありません。

ただ、何を載せるかを決めているのは、その手前にある、訪れる人の問いです。

コーポレートサイトを開く人は、「この会社と付き合ってよいか」を決めに来ます。取引を考えている会社の担当者、応募を考えている人、取引先を確かめたい人。会社の規模、続いてきた年数、誰が経営しているか、何を大事にしているか。そうした情報が並ぶのは、この問いに答えるためです。BtoBブランディングとは。会っていない人に、どう伝わるかでは、サイトは担当者が上司に見せる場所だと書きました。それも同じ問いの中にあります。

ブランドサイトを開く人は、「これを選ぶか」を決めに来ます。買おうか迷っている人、使い方を知りたい人、ほかと比べている人。会社の沿革より、その商品で何ができるのか、自分に合うのか、どこで手に入るのかを知りたい人です。

問いが違えば、同じ情報でも置き方が変わります。会社の創業の話は、コーポレートサイトでは信用の材料になります。ブランドサイトでは、選ぶ理由につながるところまで絞って置きます。

コーポレートサイトの側をどう見直すかは、コーポレートサイトのリニューアル。作り直す前に、何が変わったかを見るに書いています。

分けるかは、どの名前で来るかで決まる

では、ブランドサイトを別に作るか、コーポレートサイトの中に置くか。

決め手は、訪れる人が、どの名前でたどり着くかです。

会社の名前は知らないけれど、商品の名前は知っている。そういう人が、商品の名前で探しに来るなら、その名前で迎える場所があったほうが話が早く済みます。会社の名前を知っている人ばかりなら、会社のサイトの中で足ります。

この見方は、名前の決め方から来ています。商品の名前に会社名を冠するかを、私たちは「その商品を買う人が、会社の名前を知っているかどうか」で考えています。その話は商品ブランディングとは。共通にするものと、分けるものを決めるとブランドアーキテクチャとは。ブランド体系を、後から並べ直すに書いています。サイトを分けるかどうかは、その判断をサイトに当てはめたものです。

当てはめると、三つの形に分かれます。

会社の名前で来る人ばかりなら、コーポレートサイトの中に置きます。取引先が会社を通して商品を知る場合が、これにあたります。

商品の名前で来る人が中心なら、分ける価値があります。店頭や紹介で商品の名前を知った人が、検索窓にその名前を打ち込む場合です。

両方の人がいるなら、コーポレートサイトの中に置いたうえで、商品の名前の入口を用意するという形もあります。商品の名前で探した人が、そのページに直接たどり着けるようにしておく。分けるか、まとめるかの二択にしなくても済みます。

分けたほうがよい場面として、挙がる条件があります。客層が会社全体と違う、更新を身軽にしたい、ブランドごとに見せ方を変えたい。どれも、どの名前で来るかを確かめたうえで考えると、判断しやすくなります。

確かめ方は、手元にある材料で足ります。問い合わせのとき、相手は何と言ってきたか。営業の場で、商品の名前と会社の名前のどちらで呼ばれているか。頼む前に社内で一度確かめておくと、作る側との話も、分けるかどうかから始められます。

分けると、増えるもの

分けると、できることが増えます。同時に、増えるものもあります。

まず、更新する場所が二つになります。新しい情報を出すとき、コーポレートサイトとブランドサイトの両方に載せるのか、片方だけにするのか。決めておかないと、片方だけが古くなります。

次に、言っていることがずれる場所が増えます。ブランドサイトで約束したことと、コーポレートサイトの会社の説明が、少しずつ離れていく。どちらも同じ会社の言葉なので、見比べた人には分かります。

そして、誰が持つかが分かれます。コーポレートサイトは総務や広報、ブランドサイトは商品の担当。持つ人が分かれると、ずれに気づく人がいなくなります。分けると決めるなら、作る前に、それぞれの持ち主と、ずれたときに誰が揃えるかを決めておきます。

増えるものを見たうえで、それでも分ける理由があるなら分ける。その順番で考えると、作ったあとに手が回らなくなることを避けられます。

分けないときに、できること

分けないと決めても、ブランドのための場所を作れないわけではありません。

コーポレートサイトの中に、ブランドの入口になるページを置きます。会社の説明から入る人とは別に、商品の名前から入る人のための一枚です。そのページだけを見ても、その商品が何で、誰のためのものかが分かるようにしておきます。

並べ方にも気を配ります。会社の話とブランドの話が混ざると、どちらの問いにも答えにくくなります。会社のことを知りたい人の道と、商品を選びたい人の道を、ページの並びの上で分けておく。同じサイトの中でも、道を分けることはできます。

複数のブランドを持っているなら、ページの並びは名前の体系に合わせます。会社の下にどのブランドがあり、どれが同じ仲間か。体系が整理されていれば、サイトの並びも決まります。体系の整え方は、先に挙げたブランドアーキテクチャの記事にあります。

載せるものは、選ぶ判断の材料

ブランドサイトというと、世界観を伝える場所として語られることがあります。写真や映像で、ブランドの空気を感じてもらう。それは大切な役割です。

ただ、訪れる人の問いは「これを選ぶか」でした。世界観に惹かれた人が、次に知りたくなることがあります。

何ができるのか。自分の使い方に合うのか。ほかとどこが違うのか。どこで手に入り、困ったときにどこに聞けばいいのか。

このうち、ブランドの約束は、選ぶ判断を大きく左右します。約束を、相手が確かめられる形で言葉にする方法は、ブランドプロミスとは。コンセプトとの違いと、どこまで具体に約束するかに書きました。

世界観と判断の材料は、どちらか一方ではありません。世界観で引きつけ、判断の材料で選んでもらう。順番の話です。世界観だけで終わっているブランドサイトは、惹かれた人を、選ぶ手前で帰してしまうことがあります。

作る前に、閉じる日を決めておく

ブランドサイトには、閉じる日が来ることがあります。商品の販売が終わる、ほかのブランドとまとめる、名前を変える。

閉じたあとも、そのブランドの名前で探しに来る人はいます。古い紹介記事を見た人、以前買った人、名前だけを覚えていた人。その人たちが、どこにたどり着くかを、あらかじめ決めておかなければなりません。

この話には、近いものがすでに二つあります。名前をやめるときに、やめる日まで決めておく話は、ブランドアーキテクチャの記事に書きました。サイトを作り直すと、これまでの入口が切れることがある話は、コーポレートサイトのリニューアルの記事にあります。

ここで書いておきたいのは、それを作る前に決めておくことです。閉じると決まってから考えると、閉じる作業と、行き先を決める作業が同時に来ます。作る前なら、閉じるときの行き先を、落ち着いて決められます。たとえば、コーポレートサイトのどのページに案内するか。

作る前に閉じる日の話をするのは、縁起の悪いことのように感じられるかもしれません。ただ、分けたサイトは、分けたぶんだけ、終わり方も別に考えることになります。

相手がどの名前で来るかから決める

ブランドサイトとコーポレートサイトの違いは、載せる情報より、訪れる人が何を決めに来るかにあります。そして分けるかどうかは、その人がどの名前でたどり着くかで決まります。

作り方を考える前に、相手がどの名前で来るのかを確かめる。分けるなら、増えるものと、閉じる日まで見ておく。分けないと決めても、ブランドの入口は作れます。

Tags: