クリエイターの才能や情熱を社会に届ける | 異色の経歴を持つディレクター

自己紹介

1989年北海道札幌生。大学時代、バイオマスエネルギーの研究に没頭。卒業後、大丸松坂屋百貨店に就職し、トップセールスになった後、異例の速さで本社販促部へ。

その後、社長秘書になり、その経験を活かし、ホテルの支配人としてホテル経営に携わる。

最近は動画編集のスキルを取得し、行政との活動も行っている。

INTERPLAYでは、ディレクターとしてプロジェクトのマネジメントを中心に行う。

環境問題に興味を持ち、バイオマスエネルギーの研究に没頭

札幌市出身で、札幌の環境に育ち、北海道大学の工学部へ入学しました。大学での学びを深める中で、バイオマスエネルギーの研究に引かれ、その道を選び大学院でも研究を続けました。なぜこの分野を選んだのかというと、環境問題に深い興味を持っていたからです。特に、エネルギー問題は私の関心を強く引きつけました。その後、郡の大丸松坂屋百貨店に入社しました。私が環境工学部を選ぶきっかけは、環境問題への関心からで、特にエネルギー問題の領域が、私にとって非常に魅力的に感じられたからです。

環境問題と経済性のギャップを感じ、ビジネスの世界へ

私が大学院で取り組んでいたバイオマスエネルギーの研究テーマは、稲わらを利用したエネルギーの生成でした。稲わらとは、お米を収穫した後に残る部分で、この食料残渣を再利用してエネルギーを生み出す、というのが私の研究の大きな柱でした。

しかし、環境問題と経済性は独立したものではなく、密接に絡み合っていることを痛感しました。環境に良い手法や技術は多く存在するものの、それが事業としての採算に合わない場合、実際に取り入れられない現実がありました。この点が私の中で大きな課題として立ちはだかりました。

私自身、もともと経済学にも興味があったため、この環境問題と経済性のギャップを埋めるアプローチに強く引かれました。これは、環境を守りながらも経済的に合理的な選択をすることの難しさや、そのバランスをとることの重要性を学ぶ絶好のチャンスと感じました。

実際、私が学び取った経済的な視点や合理性は、後のINTERPLAYでの実務においても非常に役立っています。特に、異なるフィールドの交流を経験した際、環境と経済の両面からの洞察を持つことが、大きなアドバンテージとして機能しました。

環境問題と経済性という相反する二つの要素をバランスよく取り入れることの難しさを痛感しながらも、それを学び取る過程が私の成長に繋がったと感じています。

クリエイターのものづくりへの姿勢に感銘を受ける

大丸松坂屋百貨店での仕事では、ビジネスの基礎を学ぶ上で、多くの経験ができました。特に印象深いのが、入社3年目、大丸札幌店の催事の企画・運営担当として、その北海道で活躍するクリエイターを集めた編集催事の企画・運営を任されたことでした。この経験を通して、北海道で本物の「ものづくり」をしているクリエイターたちと出会う機会を得ました。彼らはバッグや財布、アクセサリーなど、様々なアイテムを独自の技術で製造しており、私はそのクリエイティブな姿勢に深く感銘を受けました。

彼らの作品や技術に対する情熱は、単に「ものづくり」を超えた何かを感じさせました。それは、一つ一つの商品に込められたストーリーや彼らの生計を支える熱意だったのです。そのため、彼らを尊敬する気持ちが自然と湧き上がりました。

しかし、驚いたことに、彼らは私のようなまだ経験の浅い若手にも頼ってくれました。そういった背景を受け、私は「どうすれば彼らの作品やブランドをもっと多くの人に知ってもらい、購入してもらえるか?」という視点で、一人一人のクリエイターと深くコミュニケーションを取るよう努力しました。その結果、彼らのブランドの魅力や特徴を理解し、その情報広告媒体への魅せ方やイベントのレイアウト設計に活かすことができました。

特に、このプロジェクトでの数字の伸びを実感したときは、私のキャリアの中での大きな成功体験として記憶に刻まれています。私が関わった企画や物産展が成功した背景には、クリエイターたちとの深いコミュニケーションがありました。この経験は私にとって、非常に価値のあるものとなりました。

クリエイターの支えになりたい。INTERPLAYにジョイン。

その後、社長秘書、そしてホテル支配人として経営業務を経験し、改めて自らのキャリアビジョンを考えた時、クリエイターやものづくりを行う人々と関わりたいという思いが再び芽生え、株式会社INTERPLAYへ入社しました。その根底には、大丸松坂屋での経験を通じて、彼らの情熱や想いを受けたことが影響していると感じています。しかし、その背景をさらに掘り下げると、私の子供時代や家族の背景にも大きな影響を受けていることに気づきます。

私の父は料理人として、職人としての道を歩んでいました。彼の姿から、一つの技術やスキルを極め、それを生業として美味しい料理を作り出す姿勢に深く憧れていました。しかし、私自身はそうした技能や才能を持ち合わせていないと感じていたので、そのような職人の世界とは縁遠いものだと考えていました。

しかし、人生の途中で意外な形でクリエイターや職人と関わる機会が訪れ、その経験は私の中で大きな原体験となりました。彼らとの出会いや経験は、私の中での価値観や視点を大きく変えるきっかけとなり、クリエイターや職人を支援し、その素晴らしい才能や情熱を社会に届ける役割を果たすことが、私自身のキャリアや人生の大きな目標になりました。

いろいろなキャリアを歩んできた自分だからこそ、サポートできることが多くあると思っています。

クリエイターの良さを発揮するために、想いや考えを尊重する

クリエイターとの共同作業で意識していることは、その人の「尊厳」や「ものづくりに込められた想い」を大切にすることです。ビジネスの経験から得たマーケティング視点や経営感覚は確かに存在しますが、それを前面的に出すことで、クリエイターの感性や価値観を軽視することは絶対に避けるべきだと考えています。

例えば、ビジネス的な観点から「これは売れないのでは?」という疑念を持つこともあるかもしれませんが、私はそうした単一的な思考に囚われることなく、クリエイターが何に価値を見いだし、どのような情熱や意義をその作品に込めているのかを真摯に理解しようと努力しています。

その背景には、ものづくりを行う人たちが持つ、作品に対する熱情やプライド、そしてその背後にあるストーリーや哲学を深く尊重する姿勢があります。それは、私自身がビジネスの領域で培ってきた経験や知識をもとに、クリエイティブな領域での新たな価値を生み出す上での基盤となっています。

その人の「ものづくりに込められた思い」や「尊厳」を守り、尊重すること。そして、それは私がビジネスの領域で培った経験からも学んできた、相手を理解し、価値を尊重する姿勢に根ざしています。

ディレクターとして奮闘する中、今後のビジョン

ディレクターとしての役割は多岐にわたりますが、プロジェクトの進行役としての側面が特に強調されると思います。この立場上、物事を建設的かつスムーズに進めることが求められる中で、最初に直面した大きな壁は「クリエイターとの調整」でした。

クリエイティブ思考を持つ方々は、その独自の視点や意識が非常に強いため、彼らの思考とプロジェクトの進行方向との間で調整が難しいと感じることがしばしばありました。これは、クリエイティブな意見や発想がプロジェクトを有機的に変化させていくためです。この変化自体は決して悪いことではありませんが、プロジェクトがうまく進行しない状況も確実に生じます。

そういった難局に立ち向かう際、どのようにして調整や思考の切り替えを行い、最終的なゴールに向かって導くかについては、数多くの試行錯誤を経てきました。この経験を元に、先述したクリエイターとの調整の重要性をより深く理解し、それを実践する能力を磨いてきた結果、今の自分が存在しています。

もちろん、まだまだ完璧とは言えない部分も多々ありますが、クリエイターの能力を最大限に引き出すサポートを今後もしていきたいと思っています。

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