ストーリーを紡ぎ、新たな価値を創る | 多様なバックグラウンドを持つデザイナー

自己紹介

スペイン出身。幼少期からスペインで暮らし、ヨーロッパとは異なる文化や、アート的訴求のある日本美術に関心を持ち、大学卒業後は日本で就職。グローバル化進み、多様な視点が次々と融合するなか、これらの原則を理解し、新たな社会へとデザインの力で促進していくことをヴィジョンとして活動。

人類の興味・関心・疑問を成長させる独自の物語をデザインしながら、ユーザーエクスペリエンスを向上させることを目指している。

デザインに興味を持ったきっかけは絵を描くこと。本場のロンドンでデザインを深める。

「私はスペインで生まれ、父が日本人で母がスペイン人という家庭で育ちました。子供の頃から絵を描くことが大好きで、それをずっと続けてきました。家庭環境について言えば、私の両親は特にアートに興味がなかったのですが、私自身はアニメや映画を見てその世界を絵に描くことに魅力を感じていました。」

「自分で描くのはずっと好きだったのですが、技術的な部分を深く学び始めたのは大学に入ってからです。大学では、自分と同じ価値観や背景を持つ人々に出会うことができ、それが私の視野を広げるきっかけとなりました。」
その後、スペインはヨーロッパでも国際的ではないので、もっと広い視野を持つためにイギリスに留学しました。そして、留学先で様々な文化背景を持つ人々と出会うことができ、それがデザイン学習にとても有益だったと思います。ロンドンはデザインの首都とも言え、多くの出会いが待っている街というイメージがあったからです。」

色々な経験を求め、自分のアイデンティティである日本で就職。

日本へ来ることになったきっかけは、私がイギリスでの経験を通じて、一人一人のライフストーリーの重要性を感じたこと、そして自分がデザインするにあたって、さまざまな体験を積むことで知識や経験のライブラリーを広げていきたいと思ったからです。また、イギリスにいた頃、よく日本のことを尋ねられました。しかし私自身が日本に住んでいないため、それぞれの質問に対する私の答えはあまり納得のいくものではありませんでした。そして、それが私が自分を日本人のハーフと呼んでいいのかどうかという疑問を抱くきっかけとなりました。だからこそ、日本に行って仕事を探してみようと思ったのです。


日本の美意識に刺激を受け、自分の感性見つめ直すきっかけに

日本のデザインについてどのような世界観を持つものなのか、また日本人が何を好むのかはある程度予想できました。しかし、実際に日本で仕事をしてみると、まだまだ知らないことだらけでした。それはデザインだけではなく、日本が持つ美の感じ方やモノの見方、物作りへの姿勢、日常のものへのこだわり、ストーリーの伝え方まで、これらすべてが独特なものだと感じました。日本の美意識は、小さなものに対する細かい視点、過去への敬意、美への探求という視点に重点を置いています。これは日本人が生まれながらにして学ぶ感性で、美術だけでなく歴史、伝統工芸、行事など、さまざまな側面から学んでいきます。これがデザインにおける日本人の感性と言えるでしょう。そしてその感性は、まるでDNAに組み込まれているかのように、日本人の生活や文化のあらゆる面に見て取ることができます。
日本で受けたインスピレーションや感性は、イギリスでデザインを作っていた頃と比べ、一部変わった部分があります。ただ、僕の基本的な考え方は日本人に近いもので、ヨーロッパ人と話すときも、彼らの立場や考え方を理解しつつ、日本人としての感性を忘れずにいることができました。これができなければ、日本の会社で働くことはかなり難しかったでしょう。僕の親から厳しい教えを受けたことが、ヨーロッパでも日本人らしい考え方を持ち続けることができたのかもしれません。

様々な国での経験。デザイナーとして、クリエイティビティを高めるために

ストーリーテーリングですね。デザイナーとして、他人のストーリー、他人の人生、社会問題、文化などに興味を持つことは非常に重要だと思います。そして、これらを理解し、感じ取ることで、新たなクリエイティブを生み出すことができます。だからこそ、私は歴史やストーリーが感じられるものに、どこでも興味を持つことができます。博物館や美術館はその一例で、アーティストの背景や絵が持つメッセージを理解することで、作品の見方や価値を深く感じることができます。

違った背景から来た人々が集まり、互いに学び、共感し、新たな価値を創り出す会社へ

私たちがインタープレイという名前にしたのは、「相互交流」という意味を持たせたかったからです。違った背景から来た人々が集まり、互いに学び、共感し、そして新たな価値を創り出す。これが私たちのコンセプトです。私自身がヨーロッパで経験したように、文化の違いを越えて、共感し、学び、創造することは、それ自体が素晴らしい価値を持つと思います。
具体的なプロジェクトとしては、これまでにない新たなデザインを追求するとともに、違った文化背景を持つ人々が互いに学び、成長する場を提供することです。これには、例えば、国際的なデザインワークショップや、アートとテクノロジーを組み合わせた展示会の開催などが考えられます。
また、私自身の目標としては、常に新たな視点を持ち続け、自分自身を挑戦し続けることです。そして、その過程で出会う様々な人々との交流を通じて、新たな価値を生み出すこと。そのためには、常に自分自身を問い直し、新たな視点を求めて行くことが必要だと思っています。

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